1,公共交通とキャッシュレス化 2,都市計画税
議長(池田総一郎君) 次に、質問第8号、市政について、中村議員の質問を許します。中村議員。 〔4番 中村 知義君登壇〕 | |
◆4番(中村知義君) 通告に従いまして、公共交通とキャッシュレス化についてと都市計画税の2点について質問いたします。 公共交通とキャッシュレス化についてです。長野県では、地域公共交通の活性化及び再生を目指して、2024年6月に長野県地域公共交通計画を策定しました。この計画は、県と県内77市町村が共同で作成し、2024年度から2028年度までの5年間の計画期間としています。目的は、行政、交通事業者、利用者など地域の関係者が共通認識を持ち一体となって取り組む具体的な施策、役割分担や推進体制を示しています。そして、県全体の方針に加え、10の地域ごとに地域版も策定しています。上田地域も広域拠点として重要な地域として位置づけられています。県の方針として、モータリゼーションの進展や少子高齢化、人口減少の急速な発展を背景とし、公共交通を民間事業者の自助努力のみで維持していくことは困難な状況になっている。そのため、官民連携の下、行政の主体的な関与により、社会的共通資本である地域公共交通の維持、発展、利便性の向上を図るとしています。計画目標として、日常生活における自家用車から公共交通への利用転換、通院、通学、観光に必要な移動の保証、公共交通におけるサービスの品質保証の3点が挙げられています。長野県地域公共交通計画の中で保証するサービスの品質として、学生の始業前に通学できること、授業終了後、課外活動終了後に帰宅できることとしています。現状、上田駅と丸子、武石地域を結ぶ路線バスの最終が上田駅発18時50分と、いろいろな事情はありますが、厳しい状況です。また、大屋駅と路線バスの連結が悪いことも、公共交通の利用拡大にも影響があると考えます。 そこで質問いたします。上田市地域公共交通計画において地域公共交通が果たす役割として、鉄道軸と幹線バス軸による都市機能集積拠点と生活複合拠点の間を一定水準以上の高いサービスレベルで結ぶとありますが、大屋駅など鉄道とバスの接続が非常に悪い点について、市としてどのように考えているか。改善していく計画はあるか。また、市の掲げる一定水準とは具体的にどのように考えているのか答弁を求めます。 | |
○議長(池田総一郎君) 佐藤都市建設部長。 〔都市建設部長 佐藤 安則君登壇〕 | |
◎都市建設部長(佐藤安則君) 上田市地域公共交通計画につきましては、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づき、都市計画マスタープランや立地適正化計画と整合を図りながら、上田市における公共交通のマスタープランとして、昨年度に策定したところでございます。この地域公共交通計画におきましては、地域公共交通は人々の多様な暮らし方と働き方を支え、生活の質を高める基盤的な社会インフラと位置づけております。 初めに、大屋駅などにおけるしなの鉄道線と路線バスの接続につきましてご答弁いたします。しなの鉄道株式会社におきましては、コロナ禍における輸送人員の減少を受け、事業継続のための経営改善として全面的なダイヤ編成の見直し、無人駅化の拡大、乗り継ぎ割引制度の廃止などを実施してきております。令和5年3月のダイヤ改正におきましては、日中、夜間を中心に列車本数が見直され、小諸駅、上田駅間で12本の減便、上田駅、戸倉駅間で8本の減便、最終列車の繰上げなどが行われてきたところでございます。この減便等により、しなの鉄道に対しまして、市内公共交通機関との接続が悪くなり、自動車での通勤に変更せざるを得なくなった、乗換えまでの待ち時間が長くなったなどの意見が寄せられているとお聞きしております。しなの鉄道では、昨年度、ダイヤ改正後の利用実態を詳細に把握するため、各駅の列車別乗降数や利用者属性などの調査を実施したところでございます。しなの鉄道におきましては、寄せられた意見を真摯に受け止めるとともに、今後、利用実態調査結果に基づき利用者の利便性向上を図るべきものと考えております。なお、しなの鉄道では、調査等を踏まえまして、令和8年3月にダイヤ改正する予定であるとお聞きしております。 次に、地域公共交通に掲げる地域公共交通が果たすべき機能として、都市機能集積拠点と生活複合拠点の間を一定水準以上で結ぶことにつきましては、交通モードや路線により異なりますが、おおむね30分から1時間程度の間隔での運行を想定しているところでございます。大きな不安や不便を感じることなく、誰もが安心して利用できる地域公共交通の実現を目指し、限られた資源の中でニーズに応じ最適化が図られるよう、引き続き交通事業者と協議を行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 | |
○議長(池田総一郎君) 中村議員。 〔4番 中村 知義君登壇〕 | |
◆4番(中村知義君) 長野県地域公共交通計画の中で上田地域の課題の一つとして、運賃低減制度について、導入後、一定の期間が経過し、利用促進に対する有効性や利用者負担の在り方などの課題が生じているため、運賃低減の方法や対象を含めた制度の見直しについて検討する必要があるとしています。 そこで質問いたします。運賃低減バスは、実証運行を含めて10年以上実施していますが、どのように検証しているのか。また、そこで得られた情報から、今後についてどのように考えているか。持続可能な公共交通体系として、乗客一律の金額ではなく、高校生や高齢者は現状の金額で、ほかの人は値上げするなど、利用者負担も考えながら、持続可能な公共交通体系を維持していくべきと考えるがどうか、答弁を求めます。 | |
○議長(池田総一郎君) 佐藤都市建設部長。 〔都市建設部長 佐藤 安則君登壇〕 | |
◎都市建設部長(佐藤安則君) 運賃低減バス運行事業につきましては、利用者の負担軽減と利用者の増加を目指して、平成25年10月から2期6年の実証運行を行い、現在、令和7年9月までを第4期の運行継続期間として実施しております。本事業の検証につきましては、令和4年9月までの第3期の運行継続期間が終了する際に、上田市公共交通活性化協議会にて利用者数の推移などの観点から評価等を行っているところでございます。本活性化協議会におきましては、コロナ禍で利用者数が大幅に減少したが、事業導入前と比較して輸送人員が1.2倍に達する年度があるとともに、高校生等の通学費の負担軽減に寄与しているものと検証したところでございます。一方で、事業開始以降に2度の消費税の引上げがあったことや、近年の燃料費等の高騰を含めた物価上昇が事業者の経営を圧迫している状況にあることから、今後、利用者負担の在り方を検討していく必要があると考えております。特に運転免許を有しない高校生につきましては、公共交通は通学に欠かせない移動手段であり、高校生を含む高頻度利用者の負担の在り方につきましても、併せて検討していく必要があると考えております。 なお、運賃につきましては、10年以上にわたり低減後の運賃を据え置いてきているところですが、適正な運賃設定による収益性の確保は、路線バスをはじめとする持続可能な公共交通体系を維持していくためには重要な方策の一つであると認識しているところでございます。 以上でございます。 | |
○議長(池田総一郎君) 中村議員。 〔4番 中村 知義君登壇〕 | |
◆4番(中村知義君) 10年以上運賃低減バス事業をしている市町村って正直ないと思いますので、しっかり検証していただいて次へつなげていただきたいと思います。 では、公共交通のキャッシュレス化は特にバス業界で進んでいます。例えば国土交通省では、完全キャッシュレスバスの実証実験を進めています。キャッシュレス化のメリットとして、現金の取扱いが不要になるため、運転手の業務軽減につながります。また、現金管理コストの削減や運賃の受け取りの効率化につながります。また、利用者も小銭の準備が不要になり、スムーズに乗り降りができます。長野県内でも公共交通の取り巻く状況が年々厳しくなる中で持続可能な社会を支えるためには、交通DX、GXの推進をすることでサービスの向上につながるとしています。利用者の利便性を考えるとSuicaやQR決済などの普及率の高いことが望ましいですが、補助金や助成金を活用しても初期投資が必要であり、維持管理費用も考慮する必要があります。 そこで質問いたします。JR信越線としなの鉄道について、来年の3月に長野駅へのSuicaの導入が決まっています。上田駅も再来年の3月の導入が決まっていますが、市としてどのように考えているか答弁を求めます。 | |
○議長(池田総一郎君) 佐藤都市建設部長。 〔都市建設部長 佐藤 安則君登壇〕 | |
◎都市建設部長(佐藤安則君) 令和7年春以降に信越本線の長野駅に交通系ICカードSuicaを導入することにつきましては、篠ノ井線と大糸線への導入と併せて、東日本旅客鉄道株式会社長野支社が公表しているところでございます。また、長野県が事務局を担う長野県公共交通活性化協議会は、令和4年10月に県内の路線バスにSuicaとの相互利用ができる地域連携ICカードを県下統一カードとして導入することを決定しております。長野県は、この決定を踏まえまして、本年6月に策定した長野県地域公共交通計画の中で、県内の公共交通機関へのキャッシュレス決済の導入が遅れていることを課題とし、県内の公共交通機関で交通系ICカードが利用できる環境を整備することを明記しているところです。 しなの鉄道が上田駅をはじめとする沿線駅にSuicaの導入を検討していることにつきましては、県の方針やしなの鉄道が乗り入れる長野駅にSuicaが導入されることを踏まえての経営判断によるものと認識しております。一方で、上田市におきましては、県の方針が明確になる前から市内の交通事業者と連携し、利用者の利便性向上と事業者の生産性向上のため、事前に県へ情報共有と協議を行いながら、チケットQRを活用したキャッシュレス化に取り組んできたところでございます。 市内公共交通機関に交通系ICカードを導入することにつきましては、効果と課題を見極めた上で慎重な判断が必要であることから、引き続きチケットQRを活用したキャッシュレス化を推進してまいりたいと考えております。 以上でございます。 | |
○議長(池田総一郎君) 中村議員。 〔4番 中村 知義君登壇〕 | |
◆4番(中村知義君) 上田市でもキャッシュレス化としてQRコード決済を導入し、令和2年10月から上田バスが運行する菅平高原線にて開始し、令和3年5月から上田電鉄別所線でも利用が開始され、令和3年10月、一部路線を除く市内全ての路線がQRコード決済が利用可能になりました。 そこで質問いたします。市が進めるキャッシュレス化としてチケットQRを導入しているが、利用状況はどうか。 チケットQRの契約期間と金額はどうか。また、更新する場合の利用料、更新料は必要か。 令和9年度までのチケットQR利用率の目標を50%としている根拠は何か。また、達成に向けてどのような取組をしているか。 以上3点について答弁を求めます。 | |
○議長(池田総一郎君) 佐藤都市建設部長。 〔都市建設部長 佐藤 安則君登壇〕 | |
◎都市建設部長(佐藤安則君) チケットQRを活用した公共交通キャッシュレス化の推進につきましては、令和2年10月に実証実験として菅平高原線に決済端末を導入し、令和3年5月に上田電鉄別所線、令和3年10月に市内路線バス、そして令和5年2月に市内タクシーに導入し、利用範囲を順次拡大してまいりました。チケットQRの利用状況につきましては、路線バスと別所線を合わせた利用率になりますが、令和3年度は7.1%、令和4年度は13.2%、令和5年度は17.4%で推移してきているところです。また、令和5年度におけるアプリ及びプリペイドカードでの利用金額につきましては、約7,900万円余となっておりまして、市内公共交通機関におけるチケットQRでの利用が定着してきていると考えております。 次に、チケットQRの契約期間につきましては、交通事業者とシステム開発事業者で利用のための契約を締結しているところですが、期間は特段定めていないことから、交通事業者が解約するまで利用することができます。チケットQR利用のための契約金額につきましては、端末機器のサービス利用料としまして、路線バス、別所線、タクシーを合わせまして、年間900万円となっております。端末機器等の更新に係る更新料につきましては、基本的に必要ありませんが、クレジットカードによるタッチ決済を可能とするなど、機器を追加する場合には別途費用の負担が必要になってまいります。 続きまして、上田市地域公共交通計画におきまして、チケットQRによるキャッシュレス決済利用率を令和9年度までに50%にすることを目標値の一つに掲げているところであります。公共交通にキャッシュレス決済を導入する主なメリットとしましては、利用者が小銭を用意することや両替が不要になることに加え、交通事業者は現金管理業務の効率化を図る効果が期待されるところであります。チケットQRによる決済利用率を50%に引き上げることにつきましては、国が策定したキャッシュレス・ビジョンに掲げる目標値より高い設定になりますが、現金管理業務コストを大幅に削減できる一つの目安であるとの事業者からの意見を踏まえまして、50%に設定したところでございます。 次に、目標値達成に向けた取組としましては、チケットQRの利用範囲をタクシーまで拡大したことを契機として、利用状況や利用者の意向などを確認するため、昨年12月に利用者アンケートを実施し、1,237名から回答がございました。この調査によりまして、回答者の約7割が公共交通でチケットQRを利用できることを知っていること、週1回以上の頻度で公共交通を利用する方の6割がチケットQRを利用していることが明らかになるとともに、プリペイドカードの共通券化などの要望として多く寄せられたところでございます。寄せられた要望を踏まえまして、交通事業者ごとにアプリのチャージやプリペイドカードの購入が不要となり、交通事業者間の乗り継ぎが円滑となるよう、まずはQRコードの共通化を進め、利用者の利便性の向上を図ってまいりたいと考えております。 本年7月29日に開催しました交通事業者、開発事業者、上田商工会議所、上田信用金庫などのメンバーで構成する上田市公共交通キャッシュレス化推進プロジェクト会議で共通化に向けた承認を得ましたことから、早い時期に売上げ等を管理する資金管理団体を選定してまいりたいと考えております。また、利便性の向上を図る取組としまして、フェリカ機能の導入によるICカードでの利用につきましても検討を進めてまいりたいと考えております。 なお、別所線は独自の取組として、本年秋頃からの運用予定になりますが、チケットQRに現金チャージできる機能や、共通化に係る機能を備えた新型券売機や運賃箱を上田駅や別所温泉駅などに新たに設置しております。チケットQRを活用したキャッシュレス決済につきまして、交通事業者や関係機関との連携、協力の下、目標値の達成を見据えながら、引き続き積極的に推進してまいりたいと考えております。 以上でございます。 | |
○議長(池田総一郎君) 中村議員。 〔4番 中村 知義君登壇〕 | |
◆4番(中村知義君) 上田市では、消費喚起応援事業としてチケットQRを活用しましたが、利用できる環境を整えていくことで利用者の利便性がさらに上がることがキャッシュレス化がさらに進むと考えます。 そこで質問いたします。公共交通のキャッシュレス化として、チケットQRは認知されつつありますが、上田市全体でチケットQRがあれば物が買える、入場料が払えるなど、キャッシュレス化することでチケットQRを活用できると考えるがどうか、答弁を求めます。 | |
○議長(池田総一郎君) 大矢政策企画部長。 〔政策企画部長 大矢 義博君登壇〕 | |
◎政策企画部長(大矢義博君) チケットQRのさらなる活用についてご質問をいただきました。 上田市では、チケットQRをコロナ禍の消費喚起応援事業では第3弾から導入いたしました。本年2月に実施した第6弾では、参加事業者が1,300店を超え、割引チケットのダウンロード数も約10万件に上り、開始17日で予定割引額に達して早期終了するなど、公共交通のキャッシュレス化から始まったチケットQRは、消費喚起応援事業を通じて広く浸透してきたものと考えております。このほか市内でのチケットQRの活用実績は、公共交通をはじめ、シェアサイクルやあいそめの湯があり、あいそめの湯では年間券や回数券のほか、事前にチャージして施設を利用するプリペイドにも対応しております。市の事業以外でも市民団体、上田城復元の夢を叶える市民の会が行っております上田城復元デジタル募金でチケットQRを導入しておりまして、幅広い活用の可能性を持つキャッシュレス決済アプリであると認識しております。 市といたしましては、現在さらなる活用方法を模索しているところでございまして、各種ポイント制度のデジタル化について、たまったポイントをチケットQRで交換する仕組みなど、庁内関係課で検討を始めております。また、チケットQRは、マイナンバーカードとの連携も可能なことから、セキュリティーに配慮しながら利活用を検討し、デジタル社会へ対応した市民生活の利便性向上に向けて取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 | |
○議長(池田総一郎君) 中村議員。 〔4番 中村 知義君登壇〕 | |
◆4番(中村知義君) キャッシュレス化はこれからさらに進んでいくと考えます。チケットQRの利用しやすい環境づくり、そして全国的な流れも考慮しながら、市民の皆さんが一番利用しやすいキャッシュレス化を進めていただきたいと思います。 次に、都市計画税について質問いたします。都市計画税は、都市計画法に基づいて行う都市計画事業、または土地区画整理法に基づいて行う土地区画整理事業に要する費用に充てるために、市町村が目的税として課税しています。都市計画税を課すか否かについて、またその税率水準をどの程度にするかについては、地域における都市計画事業等の実態に応じて市町村の自主的判断に委ねられています。 上田市では、都市計画法の規定により、指定された都市計画区域内にある土地及び家屋が都市計画税の課税対象になります。上田市の都市計画区域は旧上田市と丸子地域になります。上田市における都市計画税は0.2%です。では、丸子地域が都市計画区域として位置づけられ、都市計画が実行され、現在合併して18年が経過する中で、丸子地域が都市計画区域であることでどのように整備され、今後10年先を見据えたときに、立地適正化計画では丸子中央地区は都市機能誘導区域であり、都市居住区域としていますが、どのように整備していくのか疑問に感じます。全てが都市計画税で整備しているとは考えていませんが、限られた市民からの税金である都市計画税の使い方について、具体的な使用目的が明示される必要があると考えます。 そこで2点質問いたします。都市計画区域の定義は何か。 2点目、上田地域と丸子地域を都市計画区域とした理由は何か。 以上2点について答弁を求めます。 | |
○議長(池田総一郎君) 佐藤都市建設部長。 〔都市建設部長 佐藤 安則君登壇〕 | |
◎都市建設部長(佐藤安則君) 都市計画区域についてご質問をいただきました。 都市計画区域は、都市計画法第5条に基づき、中心市街地を含み、かつ自然的及び社会的条件並びに人口、土地利用、交通量の現状及び推計を勘案して、一体の都市として総合的に整備、開発、保全を図っていく区域でありまして、都道府県が市町村等の意見を聴取した上で指定するものとなります。この区域内では、都市計画法に規定されている道路や公園などといった都市施設の整備や、良好な都市環境を形成するための各種都市計画制度が活用できます。このほか開発許可制度や建築基準法の集団規定も適用され、一定の開発行為や建築行為が行われる場合に、敷地が原則4メートル以上の道路に接道することから、消防活動や避難経路を確保できるなど、その整備を秩序あるものにすることが可能となっております。 本市の都市計画区域は、合併前の旧市、旧町の時代から上田地域と丸子地域においてそれぞれ計画的なまちづくりと施設の整備を進めていくため指定されておりました。上田地域では、旧市時代の昭和2年4月に初めて指定されて以降、合併による行政区域の拡大に伴って、その都度都市計画区域の変更が行われてまいりました。また、丸子地域におきましても、旧町時代の昭和25年6月に初めて指定されて以降、こちらも合併などに伴い、区域の変更がその都度行われてまいりました。平成18年3月の市町村合併以降は、1つの行政区域内に上田、丸子の2つの都市計画区域が並存する形となっておりましたが、新市の都市計画の在り方を検討する中で、都市計画区域は指定されている範囲を維持した上で、平成26年3月に2つの区域を統合し現在に至っております。 以上でございます。 | |
○議長(池田総一郎君) 中村議員。 〔4番 中村 知義君登壇〕 | |
◆4番(中村知義君) 都市計画税の使用目的をより具体的にすることは、市民の理解と市民の納得を得るために非常に重要だと考えます。具体的な使用目的を明示することで透明性が高まり、税金の使い道に対する信頼性が向上すると考えます。 そこで3点質問いたします。令和5年度の都市計画税は約11億4,000万円でしたが、内訳はどうか。また、滞納状況についてどのような対応をしているか。また、都市計画税の使われ方はどうか。 2点目、都市計画税は下水道整備にも使われているが、下水道の使用者からも納められた使用料のほかに都市計画税を使って整備する理由は何か。 都市計画税は、目的税として納めていることから、事業予算のうち何%使ったなど、さらに具体的にする必要があると考えるがどうか。 以上3点について答弁を求めます。 | |
○議長(池田総一郎君) 鎌原財政部長。 〔財政部長 鎌原 英司君登壇〕 | |
◎財政部長(鎌原英司君) 都市計画税の使途等についてご質問をいただきました。順次ご答弁させていただきます。 お話にもございましたが、都市計画税は都市計画道路や都市公園、公共下水道事業等の都市計画事業を行う場合に、都市計画区域内の土地、家屋について利用価値が向上するなど、その利益を受けることに対して、区域内の受益者の皆様から当該事業に要する経費の一部を負担していただくことを課税の根拠とする目的税でございまして、都市基盤整備を進める上で大変重要な自主財源となっております。 令和5年度の都市計画税につきましては、現年課税分、滞納繰越分の合計で申し上げますと、調定額が11億7,068万円余に対しまして、収入済額が11億4,221万円余でございました。調定額から収入済額と不納欠損額を差し引いた2,268万円余が収入未済額でございます。 収入未済額への対応でございますが、都市計画税につきましては、固定資産税と一体での徴収を行っておりまして、他の市税と同様に、キャッシュレス納付など多様な納付環境の整備を図り、滞納の新規発生の抑制に努めております。また、滞納の長期化を防止する取組といたしまして、市税等納付案内センターによるきめ細かい納付案内、また財産調査や差押え等の滞納処分の早期着手を行うことで収入未済額の縮減に努め、税負担の公平性の確保に向けて取り組んでおります。 次に、都市計画税の使途についてでございます。都市計画税は、都市計画事業または土地区画整理事業に要する費用に充てるため課税することができるとされております。この事業に要する費用につきましては、総務省の通達であります地方税法の施行に関する取扱いについてにおきまして、実施する事業に必要な直接または間接の費用であり、借入金の償還費や、国または都道府県の実施する事業に対する市町村の負担金も含まれるなどの規定がございます。これを踏まえまして、当市では街路、公園、下水道の整備や、これらの事業を実施するために発行した地方債の償還金に都市計画税を充てております。令和5年度は、新参町線等の街路整備事業や公園の長寿命化修繕、また南部終末処理場の耐震化等の下水道の整備に要した事業費が17億2,000万円余とともに、該当事業の実施に伴い発行した地方債の償還金が39億8,000万円余、合計57億円余が対象事業費でありまして、この財源の一つとして都市計画税11億4,000万円余を充当しているという状況でございます。 次に、下水道整備に都市計画税が使われる理由についてのご質問でございます。下水道事業は、地方公営企業法に基づき独立採算制の原則で運営が行われておりますが、一方で下水処理場などの施設維持管理経費や下水道施設に係る建設改良費、またこれまでに発行した企業債の償還に多額の費用がかかることから、下水道使用料だけではその経費を賄うことは難しい状況にございます。このため公営企業法においては、一般会計等による公費負担について規定されておりまして、これを受け総務省が示します地方公営企業繰出基準に基づき、毎年度一般会計から公共下水道事業会計に対して、雨水処理、この処理に要する経費など、一定のルールに基づき積算した補助金として支出をしております。令和5年度の公共下水道事業会計補助金は、全体で24億9,000万円余でございまして、この一部に都市基盤整備の財源とするという趣旨に沿いまして、都市計画税が使用されております。 次に、都市計画税の使途について、より具体的にする必要があるとのご質問でございます。都市計画税につきましては目的税でございまして、その使途を住民の皆様に公表し、ご理解をいただくことは大変重要なことだと考えております。現在、市ホームページや決算の説明資料であります主要施策の成果等報告書において、都市計画税の使途に関する説明として、都市計画税を活用する対象事業名、事業費を掲載しております。今後につきましては、議員からのご指摘の趣旨を踏まえまして、都市計画税により都市環境の整備を進めていることを納税者の皆様にさらにご理解をいただけるよう、改めて他自治体の公表方法についても研究した上で、市ホームページの掲載内容の充実を行うなど、より丁寧な情報発信に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 | |
○議長(池田総一郎君) 中村議員。 〔4番 中村 知義君登壇〕 | |
◆4番(中村知義君) 現在の都市計画税の使われ方として、説明ありましたけれども、ルール上では問題はないですけれども、目的税である都市計画税は市民全員が納めていないことから、今以上の使用目的を明確にしていく必要があると考えます。例えば大屋駅周辺や丸子駅周辺、下之郷駅周辺など、まちづくりの中で地域の拠点と考える地域に投資していくことで使用目的が明確になると考えます。 そこで質問いたします。上田市都市計画マスタープランに基づき上田市立地適正化計画がつくられ、ネットワークプラス多極・拠点集約型都市構造とする方針を出しているのであれば、拠点と考える地域に集中して様々な財源を使い、都市としての機能をつくっていくべきと考えるが、見解はどうかお聞きし、最後の質問といたします。 | |
○議長(池田総一郎君) 佐藤都市建設部長。 〔都市建設部長 佐藤 安則君登壇〕 | |
◎都市建設部長(佐藤安則君) 市では本年3月、20年後の将来都市像を見据え、上田市都市計画マスタープランと上田市立地適正化計画を改定いたしました。この中で将来目指すべき都市の骨格として、ネットワークプラス多極・拠点集約型都市構造を掲げたところでございます。当市の人口は減少傾向にあり、今後もそれが進むと予想される中、上田中心市街地や丸子、塩田、真田、武石をはじめとした各地域にある拠点を維持していくとともに、市街地の拡散をできるだけ抑制し、自然環境の保全や公共交通の利用促進などによって脱炭素型の都市を形成していくことが求められております。 こうした中、ネットワークプラス多極・拠点集約型都市構造は、各地域に集積している様々な施設や多様な地域資源を生かしながら拠点の形成を進め、その周辺に居住を緩やかに誘導していくことで人口密度を維持し、さらに拠点同士を公共交通や道路網で結ぶネットワークを構築して、市全体を一体的かつ持続可能な都市として発展させていくものでございます。これらの拠点の形成やネットワークの構築に当たりましては、地域の実情に応じて適切な財源を用いながら既存ストックを有効活用し、集中的かつ効率的に整備を推進し、その実現に向けて取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 | |
○議長(池田総一郎君) 中村議員の質問が終了しました。 |