1,公共交通 2,土屋市長の公約
副議長(西沢逸郎君) 次に、質問第5号、市政について、中村議員の質問を許します。中村議員。 〔12番 中村 知義君登壇〕 | |
◆12番(中村知義君) 初めての質問で非常に緊張していますが、この場に立たせていただいていることに感謝し、市民の声をしっかり聞き活動してまいります。今回は、公共交通の路線バスと地域交通、土屋市長の公約について3点質問させていただきます。 公共交通について、今回の選挙でたくさんの市民の皆さんから病院や買物、通学など目的地に行きたいけれども、行く手段が不便で改善してほしいという声をたくさんいただきました。施政方針でもありましたスマートシティ、ゼロカーボンシティといった持続可能なまちづくり、また公共交通を生かした交通まちづくりにつながるよう、令和4年度から令和8年度までの5年間、上田市地域公共交通計画の策定が進んでいると思います。バスで考えると、広い上田地域の使用場所として、駅や病院などを結ぶ路線バスと地元の移動手段としての地域循環バス、デマンドも含めこの2つをしっかりすみ分けをして、地域の利用環境に合わせた公共交通の充実が必要だと考えています。 路線バスについてですが、路線バスのターゲットは学生や社会人の方になってくると思います。そうなると朝の出勤、通学時間、夕方の帰宅の時間帯の充実が求められると思います。現状では、丸子、武石地域からの朝の便は利用者が多く、乗り降りできないくらいの便もあります。そして、帰宅時間の便が少なく、乗り遅れれば親が迎えに行くことが非常に多くあると伺っています。公共交通の充実が子供の通学や習い事の送り迎えの親の負担の軽減につながると思います。 3年間の持続が予定されています2013年10月から始まりました運賃低減バス事業と、バスの利用促進について質問いたします。利用人数の目標値の達成状況及びそれに対する市の見解。市の負担金、補助金の増額に係る運行継続の判断基準。通勤手段としての市職員の公共交通の利用状況はどうか。利用促進に向けた今後の政策はどうか。現在、交通費の負担軽減のために行われている上田市高等学校通学費等補助金の利用状況はどうか。また、補助範囲の拡大は検討しているか。 | |
○副議長(西沢逸郎君) 三浦都市建設部長。 〔都市建設部長 三浦 哲夫君登壇〕 | |
◎都市建設部長(三浦哲夫君) 運賃低減バス事業と利用促進についてご質問いただきました。順次答弁をさせていただきます。 運賃低減バスにつきましては、代表質問において答弁しましたように、事業の実施前に比べ利用者の増加が見られるとともに、高校通学などに係る経済的な負担の軽減により、利用者や保護者などから評価の声をいただくなど、一定の成果が得られているものと捉えており、今後も重要な事業であるとの認識の下、運行の継続を判断したところでございます。 運賃低減バス事業の導入に当たっては、従来の運賃と低減後の運賃の差額分を賄うため、事業導入前に対して1.5倍の利用人数があれば、減収分の負担が不要であるという試算の下、目標を設定したところでございますが、目標値に対する達成状況につきましては、平成25年に導入後、数年間は1.2倍前後で推移し、最近2年間につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大による高等学校等の休校措置や、日常生活における外出自粛の影響を受け利用者数が激減し、1.0倍を割っている状況にございます。このような状況にありますが、今後3年間の継続期間において、まずはコロナ禍前の1.2倍の利用者数を目指して取り組んでまいります。 次に、バス運行継続に係る補助金等の判断基準につきましては、依然としてコロナ禍の影響による利用者の減少は避けられず、当面の間は、新型コロナウイルス感染症対策も含め、市による運行継続のための一定程度の財政負担が必要であると考えております。 また、公共交通の維持は、社会的コストを抑制するというクロスセクター効果の考え方、さらに車への過度な依存をしない交通まちづくりという考え方に基づき、補助の在り方を検討していく必要があります。まずは、利用者数を増加させることにより財政負担の軽減を図ることが最も重要と考えており、QRコード決済事業の推進による利便性の向上、またデータ集積による路線の再編や経営の効率化に向け取り組んでまいりたいと考えております。 次に、市職員の通勤方法につきましては、本年5月末時点における状況でございますが、交通手段別に割合の高い順に申し上げますと、自動車が74.5%、自転車が12.0%、徒歩が7.4%、鉄道が6.2%、バイクが1.6%、バスが1.1%となっております。複数の交通手段を使っている職員がおりますので、職員数延べということになりますが、1,287人に対して鉄道、バスといった公共交通を利用して通勤している職員は94人で、7.3%という割合であり、職員一人一人が公共交通の利用促進の視点、また環境への負担が少ないエコな通勤に転換する視点を持ち、行動変容を促す取組が重要だと考えております。 利用促進に向けた今後の取組につきましては、過日、地域公共交通計画策定の過程として行った市民を対象とした公共交通の利用状況に関するアンケート調査結果によりますと、18歳以上の9割の方が通勤や通学に自動車を利用しているとの回答がございました。また、高校生におきましては、高校の立地の条件や通学時の天候により偏りがあると思われますが、回答者のうち5割強の方が保護者運転の自動車による送迎で通学したことがあるとの状況も伺いました。 先頃5月下旬に開催いたしました上田市公共交通活性化協議会の中で、学識の委員の方からは、乗れないから乗らないという状況の改善に向けて対策を洗い出すべきとの貴重なご意見をいただいており、現在、策定を進める地域公共交通計画への落とし込みの必要性を強く感じたところでございます。 また、学生に特化した施策の検討として、利用者のニーズに配慮した運行ダイヤや便数とすることにより、利便性を向上させることが必要でありまして、運行事業者と連携を図りながら、利用促進に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。 | |
○副議長(西沢逸郎君) 小野沢教育次長。 〔教育次長 小野沢 和也君登壇〕 | |
◎教育次長(小野沢和也君) 私からは、上田市高等学校通学費等補助金の利用状況等について答弁申し上げます。 上田市高等学校通学費等補助金は、県内の高等学校、高等専門学校、特別支援学校高等部などに通学する生徒の保護者に対し、通学に要する費用の負担を軽減するため、補助金を交付しているものでございます。直近の令和3年度の補助実績としましては、123人の生徒が対象となっておりまして、通学が遠距離となる指定された地域にお住まいの方、または市内における公共交通機関の利用が一定距離を超える生徒の保護者の方に補助金を交付してございます。 この制度は、平成21年度に、合併前には補助制度がなかった旧上田市、丸子地域の一部にも対象を広げるとともに、市内における公共交通機関の利用が一定距離を超える場合なども対象に加え、制度の充実を図ってきた経過がございます。現在、この補助範囲の拡大につきましては、今のところ検討段階にはございませんが、先ほど都市建設部長が申し上げた今後の公共交通機関の体系の見直しに合わせ、この利用促進に配慮しつつ、この制度の趣旨であります通学に要する費用の保護者負担の軽減を図るため、今後も周知に努め、また制度の見直しについても研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。 | |
○副議長(西沢逸郎君) 中村議員。 〔12番 中村 知義君登壇〕 | |
◆12番(中村知義君) 運賃低減バス、通学費の補助は、子育て世代の親として非常にありがたい事業だと思います。運賃だけでなく、市民の声を聞きながら、便数や時間帯も含め前向きな検討をしていただき、車も便利ですが、乗りたいと思える公共交通にしていただき、みんなで利用して残していければと思います。 次に、地域循環バスについて、丸子地域の「まりんこ号」について質問します。現在、月曜日から土曜日まで、東コース、西コースで丸子地域を循環しているバスについて、先日私も利用させていただきました。1便で2人から3人、ゼロの便もありました。なぜ皆さんが利用しないのか、現状を把握して改善が必要だと思います。 武石地域で取り入れているデマンド交通もありますが、オンデマンドの交通手段としてチョイソコを紹介させていただきます。地域のタクシー会社と提携し運行をして、商店や病院、薬局などのエリアスポンサーの協賛を得ながら採算性を向上させ、単なる運行システムの提供にとどまらず、高齢者の健康増進につながる外出促進の「コト」づくりをエリアスポンサーとともに推進していくシステムになります。利用者も地域もタクシー会社もウィン・ウィンの関係を築くビジネスモデルになります。 そこで質問します。丸子地域循環バス「まりんこ号」の利用状況はどうか。利用状況を踏まえ、今後の運行についてどのように考えているか。まりんこ号の運行形態について、デマンド交通など地域の方が利用しやすい交通手段の導入は検討できないか。 | |
○副議長(西沢逸郎君) 中村丸子地域自治センター長。 〔丸子地域自治センター長 中村 尚文君登壇〕 | |
◎丸子地域自治センター長(中村尚文君) まりんこ号の運行についてご質問をいただきました。 丸子地域循環バス「まりんこ号」は、公共交通の空白地域の解消を図ることを目的に、合併前の丸子町時代、平成12年に運行を開始いたしました。運行していく中で、これまでも利用者ニーズや利便性向上のため運行経路や便数、ダイヤの見直しを行ってまいりました。現在は、月曜日から土曜日まで東西の2コースで丸子地域を循環してバスを運行し、ご利用をいただいております。 利用状況でございますが、現在の運行形態となった平成29年度は、年間の利用者数が3,740人でありましたが、年々減少傾向にあり、令和3年度では、新型コロナウイルス感染症の影響もあって、平成29年度に比べ約25%の減、2,820人となっております。まりんこ号のこうした現状に、丸子地域協議会からは、交通弱者に対してどういう地域交通が必要か、交通再編も含めた見直しを検討する必要があるとのご意見をいただいております。 今後の運行につきましては、現在、丸子地域協議会と住民自治組織、丸子まちづくり会議の皆様との合同交通部会において、交通有識者を交え、循環バスの見直し、継続も含め、地域交通の再編に向けた検討を進めているところでございます。関係する皆様のご意見を伺いながら、丸子地域に合った地域交通運行形態となるよう取り組んでまいります。 なお、議員ご提案のデマンド交通につきましては、コスト面や運用面も考慮し、運行システムの一つとして検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 | |
○副議長(西沢逸郎君) 中村議員。 〔12番 中村 知義君登壇〕 | |
◆12番(中村知義君) 路線バスの主要なバス停が地域交通のハブとなり、免許を返納しても外出しやすい交通手段をチョイソコを含め検討していただき、丸子に限らずそれぞれの地域の声があった場合には、上田地域でも検討していただければと思います。 次に、3月の市長選で土屋市長の公約について質問いたします。交通網整備の推進の中で、(仮称)上田丸子トンネル建設の道筋を立てるとありますが、すぐというわけにはいきませんが、丸子、武石地域だけでなく、東御市、長和町も含め、多くの皆さんが上田市内に行きやすくなる、そして朝夕の大屋駅前の渋滞に関しても大いに緩和される可能性のあるトンネルだと思います。 そこで、土屋市長のトンネル建設に対する思いをお聞かせください。 以上、お尋ねしまして、私の最後の質問とさせていただきます。 | |
○副議長(西沢逸郎君) 土屋市長。 〔市長 土屋 陽一君登壇〕 | |
◎市長(土屋陽一君) ご質問のありました(仮称)上田丸子トンネル建設につきましては、人と自然が調和した活力あるまちをつくることを目指し、交通網整備の一環として構想し、上田再構築プランVer.2.0の中に示したわけであります。 上田地域周辺の道路網整備につきましては、上信自動車道などは地域外との交通促進や、地域経済活性化を図るための道路として、またさらに国道18号バイパスなどは、上田地域30分(サンマル)交通圏確立のための道路として、それぞれ所管する国、県、市町村で整備が進められております。 また、令和3年度には、国の新たな道路計画に、上田地域と諏訪地域を結ぶ上田諏訪連絡道路が松本佐久連絡道路とともに構想路線として位置づけられました。今後は、上田諏訪連絡道路建設促進期成同盟会を通じまして、国及び県へ要望活動を行う予定であります。 一方、現在の上田・丸子間の連絡道路の現状は、朝夕の大屋駅周辺の慢性的な交通の混雑に加え、三才山トンネルや新和田トンネルの無料化による交通量の増加が相まって、同じ市内でありながらスムーズな移動ができない状況であり、大きな課題の一つであると感じております。 公約に掲げました、上田再構築プランVer.2.0に掲げました(仮称)上田丸子トンネルにつきましては、私自身、住民の皆様や地元の経済界の皆様の声もお聞きする中で、上田地域と丸子・武石地域を結ぶアクセス道路として構想したものであります。また、旧丸子町職員の皆様の中でつくられた「将来の丸子の夢」の中にもこのようなことが位置づけられておりました。またさらに、丸子出身の元市議会議員の大井一郎さんの一般質問でも、かつてこの件について触れられたということが印象的に残っておりまして、これも参考にさせていただいたわけであります。 この構想の実現効果といたしましては、先ほど申し上げました交通混雑の解消はもとより、丸子・武石地域と上田地域を結ぶ道路として、上田市のさらなる一体感の醸成に寄与するものであり、さらに長和町を含む依田窪地域と上田の中心市街地や上田菅平インター、あるいは新幹線上田駅の最短のアクセス道路としての効果が期待でき、将来的な地域の発展に大きな役割を果たすものと考えております。 今後は、国、県をはじめ幅広くご意見をお聞きする中で、課題を整理いたしまして、(仮称)上田丸子トンネルを含めた上田地域の将来を見据えた交通網整備の検討を具体的に進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 | |
○副議長(西沢逸郎君) 中村議員の質問が終わりました。 |