1,上田城跡公園における公募設置管理制度と駐車場の管理
2,空き家対策
○副議長(久保田由夫君) 次に、質問第4号、市政について、中村議員の質問を許します。中村議員。 〔4番 中村 知義君登壇〕 | |
◆4番(中村知義君) 通告に従いまして、順次質問いたします。 上田城跡公園における公募設置管理制度の導入と管理について伺います。令和5年3月の一般質問で、公園についての質問をさせていただきました。その中で、上田市でも令和3年3月の定例会で上田市都市公園条例の改正を行い、Park―PFIの導入が可能になっています。今後、上田城跡公園においてマーケットサウンディング調査を実施し、実現性を探っていくとの答弁でした。令和5年12月から、上田城跡公園の公園内に来訪者の楽しめる場所が少なく、公園の活用が不十分であること、公園内の駐車場運用に公平性がないことの課題から、上田城跡公園の櫓下エリアについて、さらなる魅力向上や利用者増加のために、公募設置管理制度の導入に関するマーケットサウンディング調査が実施されました。そして、サウンディングの調査結果が令和6年3月に公表されました。 そこで、上田城跡公園と周辺の駐車場を含めた利活用について質問いたします。マーケットサウンディング調査の結果を踏まえ、どのような方向性を考えているか、答弁を求めます。 | |
○副議長(久保田由夫君) 佐藤都市建設部長。 〔都市建設部長 佐藤 安則君登壇〕 | |
◎都市建設部長(佐藤安則君) 上田城跡公園における公募設置管理制度の導入と駐車場の管理についてご質問いただきました。 上田城跡公園櫓下エリアにおきまして、公園のさらなる魅力向上を目指すため、公募設置管理制度、いわゆるPark―PFI制度による民間活力の導入に向けて、昨年度12月から3月までの期間で民間事業者から幅広い提案、また上田市への要望等を聞くためにマーケットサウンディング調査を実施いたしました。 この調査では、民間事業者による飲食店、売店などの便益施設と、それから生じる収益から現在課題となっております櫓下の上田城跡駐車場の有料化について、その費用を捻出できないか、民間事業者との個別対話をいたしました。調査には、民間事業者5社から参加があり、その業種は建築業、不動産業、小売業、サービス業となっております。どの事業者からも、上田城跡公園については、歴史的背景を含めとても魅力的な公園でポテンシャルが高く、参入について前向きな意見や提案を多くいただきました。 提案の内容としましては、3事業者から便益施設について、また2事業者からは駐車場の管理についてそれぞれ提案がございました。便益施設の提案としましては、カフェ、ベーカリーカフェ、土産店、農産物直売所やインバウンド客の収益を見越した設備投資などがあり、また施設は上田城の景観に即したデザインで行う、コミュニティスペースの提供による地域活性化などの提案もありました。さらに、園路の整備、既存トイレの移転などの意見もございました。 一方、駐車場管理の提案としましては、櫓下の上田城跡駐車場だけでなく、上田城跡北観光駐車場と現在バス専用となっている上田城跡南駐車場の3つを一括管理したいという提案がありました。また、駐車場管理については、今回検討しているPark―PFI制度ではなく、公園管理者の許可を受けることにより、民間事業者でも公園施設の設置や管理ができる設置管理許可制度を活用することにより、駐車場のみでもある程度の収益が見込めることや、早期事業化が図れることなどの提案もありました。 こうしたことから、これまで櫓下エリアではPark―PFI制度を活用して便益施設の整備と駐車場の有料化を一体として検討してきましたが、今回の調査結果を踏まえまして、便益施設の整備はPark―PFI制度を活用し、駐車場の有料化は設置管理許可制度を活用として、それぞれで進めることで民間活力の導入を図っていきたいとの方針としております。 以上でございます。 | |
○副議長(久保田由夫君) 中村議員。 〔4番 中村 知義君登壇〕 | |
◆4番(中村知義君) 長野県内の初のPark―PFI活用施設である飯綱山公園官民連携魅力向上事業を視察させていただきました。コンセプトは、農業で人と人をつなぐを骨格とし、飯綱山公園に人と人、自然と地域住民が共創する場を設けることで新たな価値を生む創造空間を目指す。また、小諸市で収穫したブドウを使ってワインを製造するワイナリー、自社栽培による農産物や地域の食材を生かした料理を提供するレストランを整備するというコンセプトで、ワイナリー棟やレストラン棟を中心ににぎわいを創出し、事業者からの提案としてファームでの農業体験、芝すべり広場、木製遊具を楽しめるキッズパークを造ることなどを行うことで、以前は犬連れの方が大半だった公園に、子供を連れた家族の利用が増えてきていました。市の負担ゼロで、民間事業者の力を借りて、今まであった公園にさらに魅力を生み出す成功事例でした。 そこで、3点質問いたします。小諸市の場合は、総務部財政課マネジメント推進係が立ち上げから現在まで担当部署として所管しています。一方で、上田市の場合は都市計画課が主担当で検討しているが、市全体で考えるのであれば、行政管理課が中心となり検討していく必要性も考えられるが、見解はどうか。 小諸市は、令和3年3月から着手し、令和5年3月に供用を開始しているように、スピード感が大事だと考えるが、上田市の供用開始はいつ頃を予定しているか。 上田城跡公園以外で、公募設置管理制度の導入を考えている公園はあるか。 以上3点について答弁を求めます。 | |
○副議長(久保田由夫君) 佐藤都市建設部長。 〔都市建設部長 佐藤 安則君登壇〕 | |
◎都市建設部長(佐藤安則君) 今回、上田城跡公園においてPark―PFI制度の導入の検討を進めるに当たりましては、サウンディング調査の内容検討や調査結果を踏まえた事業化に向けての検討段階において、行政管理課も加わり検討を進めてまいりました。Park―PFI制度を含む公民連携の推進体制につきましては、全庁的な方針の策定や庁内の調整を行政管理課が担い、個別事案の事業化については施設所管課が主担当として進め、そこに行政管理課が伴走型で関わっていく体制を基本と考えております。 上田市における現状として、まずは公民連携の導入実績の積み上げが重要と考えており、そこで得られたノウハウを全庁的な取組へとつなげてまいりますとともに、ご質問にあります小諸市の体制も含め、より推進力のある体制構築についても検討を進めてまいります。 次に、供用開始の時期につきましては、先ほどご答弁したとおり駐車場の有料化については、昨年度実施したサウンディング調査の内容から考え方が変わってきたこともあり、再度駐車場をPark―PFI制度から抜いた内容でサウンディング調査を行っていきたいと考えております。また、事業者からの意見で既設トイレの移設について、これが多くあったことから、Park―PFI制度の中で既設トイレの移設も可能か、併せて検討していきたいと考えております。以上を踏まえ、次のステップである公募等の手続に移行したいと考えており、現時点の想定として、民間事業者の選定を令和6年度末か令和7年度前半に行い、供用開始については令和8年度前半を目指していきたいと考えております。 次に、上田城跡公園以外での導入につきましては、公募設置管理制度であるPark―PFI制度とともに、設置管理許可制度についても検討していきたいと考えております。具体的には、今年の冬にスケート場を廃止した市民の森公園や、現在整備を進めております(仮称)丸子かわまち公園などがございます。また、郊外の都市公園につきましても、幾つかの公園を含めた包括的な仕組みでサウンディング調査を実施している先進的な自治体もございますので、今後検討していきたいと考えております。 以上でございます。 | |
○副議長(久保田由夫君) 中村議員。 〔4番 中村 知義君登壇〕 | |
◆4番(中村知義君) 答弁の中にかわまち公園と、あと市民の森公園ということで挙げていただいて、ぜひとも企業の力を借りながら、活力ある上田市にしていっていただきたいと思います。 駐車場に関して、公募設置管理制度とは別に考えていくということですけれども、次に駐車場に関して4点質問いたします。現在市の直営になっている上田城跡北観光駐車場について、イベント時などの特別期間と通常期間で、利用台数と利用金額について分析しているか。この現状とともに、現在の管理体制などを踏まえ、民間による管理にする考えはあるか。 2点目、民間による管理とした場合に、運用方法や駐車料金の設定などは、管理業者と市のどちらが決めるのか。 3点目、観光駐車場という名称から、通常期間も観光客から特別期間と同様に駐車料金を徴収することは問題ないと考えるが、動物舎もあり市民の公園という側面も持っているため、民間による管理にした場合、市民が利用する際には駐車料金が割引されるシステムの導入は考えているか。 4点目、令和4年12月定例会において、尾島議員の駐車場の所管に関する一般質問に対して、駐車場の維持管理、精算機導入について調査研究していくとの答弁でした。現在複数の部署が管理している上田城跡公園周辺駐車場について一括管理を考えているか。また、市役所本庁舎駐車場は、上田城跡公園からも近いことから観光客の利用も多いと考えるが、観光客からは駐車料金を徴収するとともに、市役所の手続に来た方が安心して駐車できるスペースを確保していくためにも、精算機を導入していく必要があると考えるがどうか。 以上4点について答弁を求めます。 | |
○副議長(久保田由夫君) 佐藤都市建設部長。 〔都市建設部長 佐藤 安則君登壇〕 | |
◎都市建設部長(佐藤安則君) 現在、上田城跡北観光駐車場の料金体系は、来訪者の多い千本桜まつりやゴールデンウイークなどに特定した特別期間とそれ以外の通常期間の2つあり、特別期間は3時間まで500円で、その後1時間ずつ100円が加算され、通常期間は1時間まで無料で、その後1時間ずつ100円が加算される料金設定となっております。 令和5年度の利用台数、利用金額の実績としましては、いずれも日平均になりますが、利用台数につきましては、特別期間が888台で、通常期間428台の2倍となっております。また、利用料金につきましては、特別期間44万円で、通常期間1万7,000円の25倍となっております。この利用台数と利用料金の倍率が異なっている要因といたしましては、料金設定が特別期間と通常期間で異なっていることや、通常期間のときに1時間未満の無料で出庫する車が多いことなどが挙げられます。 また、管理体制につきましては、平成28年4月のオープンから市が直営で行っており、千本桜まつり等のイベント時には精算機周辺が混雑するため、精算機には必ず1名を精算機補助として配置している状況であり、またトラブル等があれば、その都度職員が対応しております。このような状況を踏まえ、設置管理許可制度を導入することにより、駐車場の運営管理に必要な知識、経験が豊富な専門の民間業者に管理を移行してまいりたいと考えております。民間による管理とすることで、従前にはなかった事前精算機の設置、カード支払い、電子決済などの支払い方法の多様化、空き情報確認、バスにおいてはインターネットからの事前予約やアプリによる事前精算など、利用者の利便性、快適性の向上が図れるものと考えております。 次に、民間による管理とした場合、運用方法や駐車料金の設定などは、管理業者と市のどちらが決めるのかでありますが、設置管理許可制度では、駐車場管理運営を行う事業者を募集いたします。この募集要項の中には、駐車場の管理運営を行うため、提案に当たっての基本条件の中に料金設定の項目を設けることができますので、上田市の裁量で決めることができるというものであります。 次に、市民が利用する際の割引システムの導入についての考え方につきましては、駐車場が利用料金については、観光地としての側面と身近な公園としての側面の2つありまして、その両方が適度な料金設定であることが求められております。そうした中、今回民間事業者の提案では、現在では対応できていない市民割引や障害者割引などについても導入可能というお話もいただいておりますので、民間管理への移行時には、割引制度導入について前向きに検討してまいりたいと考えております。 次に、現在複数の部局が管理している上田城跡公園周辺駐車場の一括管理につきましては、上田城跡公園周辺の駐車場は、都市計画課が管理する上田城跡北観光駐車場、櫓下の上田城跡駐車場の2つと、観光シティプロモーション課が管理するバス専用の上田城跡南駐車場がございます。上田城跡公園周辺の駐車場を有料化することにより利用者の公平性が保たれ、また民間活力の導入により利用者の利便性が図れることから、設置管理許可制度を活用し、民間事業者による一括管理を検討してまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。 | |
○副議長(久保田由夫君) 倉島総務部長。 〔総務部長 倉島 弘一君登壇〕 | |
◎総務部長(倉島弘一君) 私からは、市役所の本庁舎駐車場における精算機の導入についてお答えいたします。 市役所周辺の来庁者用駐車場は、本庁舎正面駐車場を含め4か所ございますが、週休日や祝日、春の上田城千本桜まつりなど、上田城跡公園においてイベント、お祭りが開催される際には、昼夜を問わず市役所にご用のない方にもご利用いただいております。このような状況の中、精算機の導入には目的外利用の抑制による管理の適正化や、駐車場の利用者に対する負担の公平性、自主財源の確保などのメリットが考えられますが、精算機、両替機、ゲートの設置等が必要となってまいります。 これまでも、庁舎改築の際には、市役所駐車場における精算機の導入について検討を行った経緯があり、本庁舎正面駐車場においては駐車区画をできるだけ多く確保することや、道路の混雑が避けられるようスムーズに出入りができることを優先とすること、北駐車場においては、現時点では精算機を設置するスペースがないことを踏まえ、当面の間は精算機を設置せず、無料とすることといたしました。 なお、旧上田本庁舎における駐車場管理におきましては、駐車場の入り口に設置された管理棟において、駐車場利用者に対し整理券を配布して車両の出庫等の管理を行っていた経過がございますが、有料化は行っておりませんでした。その取扱いも、駐車場の拡大等を経まして、廃止されてきたという経過がございます。 このようなことから、本庁舎の正面駐車場を含めた市庁舎周辺の駐車場につきましては、現時点では精算機の導入は難しいと考えておりますが、本年4月から北駐車場が使用開始となりましたので、今後の北駐車場の用地の取得状況や利用状況を確認していく中で、有料化や民間委託も含め調査研究してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 以上です。 | |
○副議長(久保田由夫君) 中村議員。 〔4番 中村 知義君登壇〕 | |
◆4番(中村知義君) この公募設置管理制度を活用して、上田城跡公園の中に売店やカフェを誘致し、滞在時間を延ばしていくこと、そのためにも駐車場の料金設定を改め、駐車場に止めて上田城跡公園と柳町や商店街も含めて滞在してもらえるまちづくりをお願いします。そして、憩いの場である公園としても、市民の皆さんが利用しやすい上田城跡公園を望みます。 次に、空き家対策について質問します。国土交通省では、空き家対策として令和5年12月に特別措置法の一部改正により、特定空家に加え管理不全空き家も市町村からの指導、勧告の対象となりました。空き家所有者は、市町村から指導を受け、それに従わずに勧告を受けると、固定資産税等の軽減措置が受けられなくなります。上田市では、上田市空家等対策計画が令和7年までの8年間の計画が進められています。そして、令和8年に見直しが行われます。空き家等についてや財産を所有する者の権利と責任が、憲法及び民法によって、財産権や所有権として保障されています。また、空き家等の管理は、法において所有者の責務として定められていることから、所有者が責任を持って適切に管理することが基本にあります。 上田市として、空家等対策計画の策定、対策協議会の設置、対策の実施に関する各種支援、地域の役割として良好な地域環境の維持、地域コミュニティー内の連携強化、意見の集約、地域まちづくりの積極的な参加、事業者等の役割として適正管理の協力、管理物件の流通、活性化、諸問題の解決に向けた情報提供、技術的な支援が考えられます。空き家の所有者に対して、上田市、地域、事業者の3つの情報共有や連携を強化し、技術的な支援をしながら所有者の課題解決に取り組んでいく必要があります。 そこで、上田市の現状の空き家対策について2点質問します。今年度の空き家利活用制度において、相談件数、補助申請件数及び補助金額の状況はどうか。 空き家に関する相談会の実施状況と成果はどうか。 以上2点について答弁を求めます。 | |
○副議長(久保田由夫君) 佐藤都市建設部長。 〔都市建設部長 佐藤 安則君登壇〕 | |
◎都市建設部長(佐藤安則君) 空き家対策についてご質問いただきました。 今年度の空き家利活用制度における相談件数につきましては、5月末までの2か月間で100件を超えており、そのうち空き家を売買、または賃貸に結びつける空き家情報バンク制度に関する問合せが95件、賃貸のための空き家リフォーム費用を補助するセカンドユース事業に関する問合せが11件ございました。 次に、補助申請件数等の状況につきましては、5月末時点で老朽化により危険空き家となった建物解体費に係る補助が12件590万8,000円、建物解体後の跡地への建設費に係る補助が1件50万円、セカンドユース事業に係る補助が1件50万円となっております。 続きまして、空き家に関する相談会の実施状況につきましては、初めて開催した令和元年8月から令和5年度までに計16回実施し、延べ105件の相談がございました。相談の内容につきましては、親の財産相続を心配される50代以上の世代の方が全体の約8割を占めており、相続等の登記や空き家の解体費用、売買価格などが多くなっております。令和2年11月に空家等対策に関する協定を締結している関係団体も同席の下、ご助言、ご協力をいただきながら、老朽化により利活用が困難な空き家については解体し、また利活用が見込める空き家については、空き家情報バンクへの登録を経て、売買または賃貸につながっており、相談会は空き家対策の重要な取組の一つとなっております。 以上でございます。 | |
○副議長(久保田由夫君) 中村議員。 〔4番 中村 知義君登壇〕 | |
◆4番(中村知義君) 空き家等の発生を予防するためには、定期的なメンテナンスやリフォームを実施する等の良質な住宅ストックの推進が必要になります。また、空き家等については、放置され老朽化が進むにつれて、管理、維持コストが増大します。放置される前に所有者が相談に来やすい環境づくりと、空き家を増やさない施策の一つとして補助金の充実が求められると考えます。 そこで質問いたします。空き家対策は重要な施策であり、予算を確保してしっかりと進めていくべきと考えるが、見解はどうか、答弁を求めます。 | |
○副議長(久保田由夫君) 佐藤都市建設部長。 〔都市建設部長 佐藤 安則君登壇〕 | |
◎都市建設部長(佐藤安則君) 人口減少及び高齢化を背景に全国的に増え続ける空き家は、防災、防犯、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしており、各自治体は作成した空家等対策計画及び国が定めた法律や基本指針に沿って積極的に空き家対策を推進しており、当市もその例外ではございません。 危険空き家の解体補助につきましては、国の空き家対策総合支援事業を財源としながら、限られた予算の範囲で実施していることから、今年度は既に補助金の受付を停止しており、補助金の活用を希望される方のニーズに十分に応えることができていない状況にございます。 今後も、老朽危険空き家を対象とした解体補助事業や空き家等実態調査など、国の補助金を財源として有効活用しながら予算を確保し、市内に数多く点在する空き家のうち、周辺地域に及ぼす影響などを総合的に判断の上、優先度が高く早急な対策が必要な案件から空き家対策を推進してまいります。 以上でございます。 | |
○副議長(久保田由夫君) 中村議員。 〔4番 中村 知義君登壇〕 | |
◆4番(中村知義君) 限られた予算の中ではありますけれども、ひとつよろしくお願いいたします。 では、空き家実態調査について伺います。前回、平成28年度に市内空き家等の実態調査を実施し、市内の空き家総数は3,415戸であり、統計調査における市内住宅総数7万6,280戸の4.5%に相当します。また、利活用の目的がないその他の住宅は6,450戸であり、空き家総数全体の8.5%に相当します。8年が経過し、この数値も変化してきています。上田市の現状を知る上では、実態調査をして、その結果をデータベース化して管理をしていくことは重要だと考えます。 そこで質問いたします。調査は、民間事業者に、今年度から2年にわたって2,500万円で委託されるとのことだが、調査の流れはどうか。また、調査結果はいつ頃公表できる予定か、答弁を求めます。 | |
○副議長(久保田由夫君) 佐藤都市建設部長。 〔都市建設部長 佐藤 安則君登壇〕 | |
◎都市建設部長(佐藤安則君) 空き家実態調査につきましては、空き家対策を総合的かつ計画的に実施するために、空き家等に関する正確な情報を把握して、調査結果を市町村が定める空家等対策計画へ反映させる必要があることから行うものとなります。調査は、民間業者への業務委託とし、先月の指名競争入札を経て、令和7年7月末までの委託期間で契約を取り交わしたところとなります。 次に、調査の流れでございますが、現在委託業務の受託業者と打合せを進めている状況にあることから、調査の日程等は確定しておりませんが、まずは固定資産税の課税台帳や水道の閉栓状況などの情報から、空き家と思われる調査対象約1万件を抽出いたします。 次に、この調査対象について、市が示した基準に基づき業者による外観目視による現地調査の上、空き家かどうかの判断を行い、もし空き家であれば、その管理状態を確認して台帳として作成する予定となっております。さらに、業者が作成した空き家の位置を示した図面を用いて、情報の追加や修正を自治会に照会するとともに、空き家所有者へのアンケート調査を通じて、最終的な空き家の数と実態が把握できるものと考えております。 なお、調査結果につきましては、令和8年度に改定を予定しております上田市空家等対策計画において公表を予定しているところであります。 以上でございます。 | |
○副議長(久保田由夫君) 中村議員。 〔4番 中村 知義君登壇〕 | |
◆4番(中村知義君) 実態調査をして、空き家の数は把握することも大切ですけれども、その空き家の所有者が誰なのかも調査していく必要があると考えます。それは、放置される期間が長くなるほど所有者の把握も難しくなり、所有者不明空き家や相続放棄された空き家が増えることは全国的にも問題視され、新聞にも掲載されています。長野市では、空き家の樹木の苦情を住民から受け、対応協議中の所有者不明空き家は市内21件、そのうち半数の10件が相続放棄されているとのことです。上田市でも実態調査をするのであれば、所有者もしっかりと調査し、所有者に責任と義務の下管理していただき、所有者不明空き家をつくらない努力をしていく必要があると考えます。そして、上田市では令和2年11月に、空家等対策に関する協定を締結しています。市のみで解決することが困難な案件に対して、空き家等に関する様々な問題や手続に精通し、対応や実践も可能な9つの関係団体と連携を取り、空き家対策に力を入れていく環境づくりはできています。 そこで、3点質問いたします。調査の中で、空き家所有者の特定調査とアンケート調査も考えているとのことだが、現在の所有者不明空き家数及び相続放棄された空き家数を把握しているか。把握していない場合、実態調査をして把握していく必要があると考えるが、見解はどうか。 所有者不明空き家や相続放棄された空き家が危険空き家となって取り壊す必要がある場合、誰が費用を出すのか。 相続放棄された空き家は、相続財産の管理等、高額の費用がかかることになるが、弁護士や司法書士など相続財産清算人の選任を申立てやすい体制を市として整備していくべきと考えるが、見解はどうか。 以上3点について答弁を求めます。 | |
○副議長(久保田由夫君) 佐藤都市建設部長。 〔都市建設部長 佐藤 安則君登壇〕 | |
◎都市建設部長(佐藤安則君) 所有者不明空き家数及び相続放棄された空き家数につきましては、現在把握はできておりませんが、これまでも現地調査を行い、空き家の管理状態が第三者への物的被害、身体的な被害を及ぼすおそれがある場合は、課題を解決するための糸口として相続人調査を実施しており、今後も所有者情報を正確に把握することは必要であると考えております。 次に、所有者不明の空き家や相続放棄された空き家が、周辺道路や家屋などの状況から第三者へ損害を与える可能性が高く危険であるため、行政が自ら早急に対応すべきであると判断したときに、代執行制度により建物や工作物等を解体することとなります。その費用は行政が一時的に負担し、原則は空き家所有者へ後日請求することとなりますが、所有者不明及び相続放棄がされた空き家の場合、その費用請求する相手がいないことから、行政が負担したままのケースもございます。 相続放棄を含め、被相続人に相続人がいない場合の相続財産清算人制度につきましては、民法によって確立されており、令和4年度から相続財産の管理、清算を行う相続財産清算人の選任申立てを市では6件行っております。 相続財産清算人の選任申立てに際して、家庭裁判所へ支払う予納金は1件当たり原則100万円と言われており、確かに高額な費用が必要となりますが、先ほど申し上げました6件のうち、売買のために解体された空き家が1件、取得希望者が確定した空き家が2件であり、相続財産が清算されたことにより予納金が返還となったケース、また空き家の売買が確実であることから、家庭裁判所が予納金を不要と判断したケースもございます。今後も、相続財産清算人制度を効果的に活用するために、空き家の市場価値や流通性などを不動産関係団体へ照会することも含め、空き家解消に結びつく事案であるか、慎重に検討しながら進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 | |
○副議長(久保田由夫君) 中村議員。 〔4番 中村 知義君登壇〕 | |
◆4番(中村知義君) 実態調査の結果は、8年前より空き家戸数は増えていると思います。そして、単身高齢者世帯である空き家予備群の多くが行く行くは空き家になっていくと未来を予想すると、空き家にさせないために、空き家になる兆候をできる限り早く察知するための体制づくりや、所有者への意識啓発も目的とした適切な情報提供も重要になってきます。空き家を増やさないためにも、相談会の充実、補助金などの増額など、上田市として重要度を上げていく必要があると考えます。 そこで質問します。令和6年12月に導入予定の空き家管理システムにより、情報共有され業務の効率化も進み、空き家対策がさらに進むと考えるが、来年度の予算規模と目標値は設定しているかお聞きし、私の最後の質問といたします。 | |
○副議長(久保田由夫君) 佐藤都市建設部長。 〔都市建設部長 佐藤 安則君登壇〕 | |
◎都市建設部長(佐藤安則君) 空家等対策の推進に関する特別措置法では、市町村が行う空き家等に関するデータベース整備の必要性について示しているところであり、今回の空き家管理システムの導入は、担当課及び関係部署と建物情報や空き家所有者等との交渉履歴などの共有化が図れること、空き家データの集計も可能となることから、業務の効率化が見込まれるところであります。しかしながら、空き家は個人の財産であること、適正な管理を怠っている空き家は、所有者または相続人の資金が不足している場合が多く、建物解体はおろか危険性が高い屋根瓦の除去や、敷地内に繁茂する庭木の伐採などにも対処できないケースもございます。また、空き家所有者が単身高齢者であることにより、以前のお住まいが空き家になっていたことに無関心であったり、またどのように対処してよいかサポートしてくれる方がいないなど様々な事情により、実態調査の結果が、直ちに空き家対策の結果に結びつくものでもございません。 空き家対策は、個々の建物等の状況に応じて臨機応変に対応する必要があり、国の補助制度も活用しながら適切な予算対応が重要であるということから、現時点で来年度の予算規模及び目標は設定しておりませんが、空き家管理システムの導入により、個々の空き家情報データが整備されると、案件ごとに利活用が見込めるか否かの判断が容易になるため、予算編成における基礎データとして活用してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 | |
○副議長(久保田由夫君) 中村議員の質問が終了しました。 |