令和5年6月一般質問

1,スポーツ振興 2,丸子地域のデマンド交通 3,橋梁の長寿命化対策

○副議長(西沢逸郎君) 次に、質問第4号、市政について、中村議員の質問を許します。中村議員。           〔4番 中村 知義君登壇〕
◆4番(中村知義君) 通告に従い質問いたします。  令和10年に行われる信州やまなみ国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会に向けて、上田市が会場となっている4種目のうち、ソフトテニスの会場整備も着々と進んできております。その中で、上田市のスポーツ振興について伺います。  市長が公約に掲げる上田再構築プランVer.2.0及び第二次上田市総合計画後期まちづくり計画に向け、今年度4月から組織の改正が行われました。その一環として、文化、スポーツと観光の連携及びシティプロモーションの一元化を目指し、文化スポーツ観光部が新設されました。  そこで質問します。1つ目、文化、スポーツと観光をどのように結びつけていくのか。また、今後どのような政策を展開していく予定か。  2つ目、スポーツ都市宣言の制定後、宣言に基づく取組はどのように進めていく予定か、答弁を求めます。
○副議長(西沢逸郎君) 小林文化スポーツ観光部長。           〔文化スポーツ観光部長 小林 修君登壇〕
◎文化スポーツ観光部長(小林修君) 組織改正により発足しました新しい部局の取組につきまして、スポーツ振興の視点からご質問を頂戴いたしましたので、答弁させていただきます。  議員ご承知のとおり、スポーツは世界共通の人類の文化であり、体力の向上や心身の健康の保持、増進のほか、人々の交流促進や産業振興など、多面的な価値を有しております。また、市内には数多くの歴史的文化遺産や特色ある伝統行事、雄大な自然、由緒ある温泉等々、地域の個性が際立つ豊富な文化、観光資源を有し、訪れる人々を魅了しております。  スポーツ、文化、観光は、いずれも人を引きつけ、交流人口を増加させ、地域の元気を創出する源となる地域資源であり、これらを三位一体の取組として推進することで、互いに相乗効果を生み出し、民間投資の拡大、雇用機会の創出など、地域のさらなる活性化にもつながるものと考えております。そのため、これまでも上田古戦場ハーフマラソンや信州爆水RUNin依田川など、県内外から多くの参加者が見込めるスポーツイベントの開催は、大会前後の宿泊や文化、観光需要の喚起につながる取組であったと捉えております。加えて、菅平高原を中心としたスポーツ合宿やスキー教室等は、人々の交流や競技の普及等につながった取組であるとともに、文化、スポーツとも一定の結びつきがあると認識しております。  今回の組織改正によりまして、市長部局においてスポーツと文化、観光がそれぞれの分野でさらに磨きがかかり融合が進むことで、関連する分野が連携し、必要な施策が効果的で速やかな展開が可能になるものと考えております。  今後、スポーツ大会を開催するときは、地域の文化体験ができるプログラムの提供や、地域の食、特産品等を紹介するブースの設置、ウオーキング等で巡る場所に観光地や文化スポット等を設定するなど、身近な施策に取り組みながら、さらなる展開について研究してまいりたいと考えております。  次に、スポーツ都市宣言に関するご質問でございますが、スポーツ都市宣言は、間もなく内定となる令和10年開催の長野国民スポーツ大会に合わせ、第二次上田市スポーツ推進計画に掲げる生涯スポーツ社会の実現に向け、スポーツ施策や地域経済の活性化、競技力向上のほか、老朽化した施設の更新など、ソフト、ハード両面から市民のスポーツ環境の充実が図れるよう制定するものでございます。  現在、年内の制定を目指し、スポーツ推進審議会で文案をご審議いただいているところでございます。その後、上田市議会のご理解をいただき都市宣言を制定させていただいた際は、宣言の内容が広く市民の皆様に周知され、スポーツが持つ価値や可能性が広く普及し、誰もがいつまでもスポーツに親しむきっかけとなるよう記念講演会の開催や、市庁舎、スポーツ施設等への看板設置などを検討してまいります。  また、長野国民スポーツ大会は、スポーツ関係者だけでなく、産業、福祉など幅広い皆様のご理解とご協力の下、市民一丸となった取組が成功の鍵となることから、開催機運の醸成につながる事業の開催も検討してまいります。加えて、スポーツ都市宣言の制定により、多くの市民の皆様がスポーツの持つ力や価値を実感するとともに、スポーツを通じて生活も心も豊かになることで、健康なまちづくりにもつなげてまいります。  以上でございます。
○副議長(西沢逸郎君) 中村議員。           〔4番 中村 知義君登壇〕
◆4番(中村知義君) 令和3年3月に第二次上田市スポーツ推進計画がつくられ、生涯スポーツの実現、誰もがいつでもスポーツに親しむことができるまちづくりを進めています。その中で、スポーツ施設の整備として適正配置と計画的な改修について、2027年度までの計画で、上田市スポーツ施設整備基本構想・整備計画が残り4年を迎えます。上田市のまちづくりを方向づける都市計画マスタープランや、立地適正化計画というすばらしい計画はできています。しかし、現在スポーツ施設の整備計画が予定より遅れてきています。私は、市として具体的なまちづくりビジョンが弱いため、体育館の基本構想・整備計画が、計画だけで前に進んでいないように感じます。スポーツ都市宣言をする中で、体育館の整備計画を見直し、先を見据えた方向性を決める必要があると考えます。  そこで質問します。1つ目、主要体育館整備として、丸子総合体育館、真田体育館、武石体育館の耐震改修工事が、2021年から2024年までで7億9,000万円で計画されています。しかし、まだ3施設について今年度も工事は行われない現状です。整備が遅れている原因は何か。  2つ目、新体育館整備として、上田城跡公園体育館、第二体育館、ボクシング場について、建て替え、再整備になっていますが、計画では今年度、用地取得、整備になっています。計画の進捗状況と、新しい建設予定地や規模など、具体的な内容はどうか。また、上田市の都市計画マスタープラン、立地適正化計画を踏まえる中で、上田市の先を見据えたまちづくりに向けてスポーツ施設の整備をどのように進めていくのか、答弁を求めます。
○副議長(西沢逸郎君) 小林文化スポーツ観光部長。           〔文化スポーツ観光部長 小林 修君登壇〕
◎文化スポーツ観光部長(小林修君) 上田市スポーツ施設整備基本構想・整備計画におきましては、各地域の主要体育館であります丸子総合体育館、真田体育館及び武石体育館につきまして、いずれも建設から30年以上が経過し、老朽化が進んでいるため、早急に耐震化と大規模改修を実施することと位置づけております。しかしながら、整備計画におきまして、施設ごとの実施時期及び実施内容については、本市で所有する多くの公共施設及び他の事業も含め優先順位を決める必要があることから、上田市総合計画の実施計画等において判断することとしており、実施時期については確定したものではございません。  また、計画策定の平成30年以降、令和元年東日本台風やコロナ禍、ロシア・ウクライナ情勢等の影響による世界的な景気後退に加え、令和4年には国の推計よりもはるかに速いペースで出生数が80万人を割り込み、計画策定の前提となった市を取り巻く社会環境が急速に変化してきております。この社会環境の変化により、市民のスポーツ環境を持続可能なものとするためには、スポーツ施設の拠点・集約化、また総量の縮減など、選択と集中をより一層積極的に進める必要性が高まったものと認識しております。  ご質問の3地域の体育館につきましては、このような社会環境の変化も踏まえ、整備の内容、実施の時期のより慎重な検討が必要であると考えており、現在まで事業実施には至っていない状況でございます。  次に、新体育館の整備につきましては、非常に大きな財源が必要であり、建設場所や席数の見極め、また社会環境の急速な変化への対応など、検討課題を整理している段階であり、いまだ具体的な内容は決定しておりません。都市計画マスタープラン、立地適正化計画では、人口の急激な減少と高齢化を背景として、財政面及び経済面において持続可能な都市経営を目指し、医療・福祉施設、商業施設や住居等がまとまって立地し、高齢者をはじめとする住民が公共交通によって、これらの生活利便施設等にアクセスできる拠点集約型のまちづくりを進めていくこととされております。  新体育館整備及び各地域の主要体育館につきましては、都市計画マスタープランや立地適正化計画におきまして、利便性や多彩な地域資源との連携によるにぎわいの創出のために必要な施設として取り上げられておりますが、具体的にこれらの計画に位置づけられたものではございません。しかし、総合体育館が都市計画において拠点性を高める施設であることは重要な視点でございますので、この点も考慮しながら、持続可能なスポーツ環境維持のため、スポーツ施設整備計画が求める選択と集中とのベストバランスをいま一度検討してまいりますので、よろしくお願いいたします。  以上でございます。
○副議長(西沢逸郎君) 中村議員。           〔4番 中村 知義君登壇〕
◆4番(中村知義君) スポーツ振興の基盤となるスポーツ施設を将来にわたって持続可能なものにするために、優先順位はあると思いますが、しっかり方向性を決め実行に移していただきたいと思います。  次の質問をします。丸子デマンド交通について質問します。平成12年、運行を開始した丸子地域循環バスまりんこ号が今年度9月末で廃止され、10月から丸子デマンド交通が開始されます。武石で導入しているスマイル号とは同じシステムですが、内容は違います。スタート時はトラブルも多いと思いますが、市民の重要な移動手段であると同時に、買物など外へ出るきっかけづくりとなる事業だと思います。そのためにも、市民への事業内容の説明が最重要になってくると考えます。16日の「広報うえだ」に、現段階での事業内容が示されました。あと3か月半でスタートするわけですが、5月20日の信濃毎日新聞で掲載されたことで、市民の皆さんの関心も大きくなってきています。しかし、現在市民の皆さんが、登録方法やどこで乗れるのかなど、具体的な運行方法を知らない現状があります。  丸子地域協議会や丸子まちづくり会議で、これまで交通部会を開いて検討してきています。市民の皆さんから、デマンド交通とはどのようなシステムなのか質問されます。登録制で、10月のスタート時に何人の人が登録してくれるのかが重要になってくると思います。そのためにも、説明会など、地域の市民の皆さんに事業の内容を早急に発信していく必要があると考えます。  そこで質問します。1つ目、10月に開始する丸子地域のデマンド交通の事業内容はどうか。  2つ目、市民への広報はどのように行うのか。運行地域の公民館などで、市民向けに事業内容の説明会を開催することが必要だと考えるが、見解はどうか。  3つ目、利用者の満足度を上げるため、短いスパンで利用者から意見を聞き、速やかに改善につなげていく必要があると考えるが、市として対応は可能か、答弁を求めます。
○副議長(西沢逸郎君) 佐藤都市建設部長。           〔都市建設部長 佐藤 安則君登壇〕
◎都市建設部長(佐藤安則君) 丸子地域デマンド交通について幾つかご質問いただきました。順次ご答弁申し上げます。  丸子地域では、住民要望を踏まえ、平成12年1月から交通空白地の解消と、通院、買物等の移動手段を確保することを目的に、循環バスまりんこ号の運行をしてまいりました。この間、利便性の向上を図るため、運行ルートやダイヤの見直し等を行いながら運行を継続してまいりましたが、近年の利用者の大幅な減少とともに、運行維持に係る財政的負担が増大している状況にございました。また、丸子地域協議会から、循環バスからデマンド交通への転換についての提言もあったことから、市として地域に合った新たな交通システムとして、デマンド交通化を進めることといたしました。  新たなデマンド交通は、循環バスの目的や運行エリアを踏襲しつつ、地域住民の日常の生活になじんだ生活ツールとして機能し、地域住民により多く利用される公共交通を目指しております。循環バスとは違い、予約によって運行する乗合型の公共交通であり、利用者の自宅近くの停留所から目的地の停留所間を運行するものとなります。現時点で計画している具体的な事業内容につきましては、運行開始日は10月2日からを予定しております。運行方法は、タクシー会社の車両を利用した予約によって運行する乗合型の公共交通、利用に当たっては事前に登録いただくことで、予約の際の効率化が図れる会員登録制としております。なお、会員登録の方法につきましては、事前に会員登録申込書にご記入いただくか、電話による申込みも受付する予定で、申込みをいただき登録を行った上で利用可能となります。  運行エリアは、現在の循環バスが運行している丸子中央地区、依田地区、長瀬地区、塩川地区を対象エリアとし、利用対象は丸子地域にお住まいの方となります。停留所につきましては、利用しやすさを考え、現在の循環バスの60か所より多く、より身近となる160か所程度を予定しておりまして、公民館や公園、ごみステーション等の公共の場所から、利用者の目的地となる病院やスーパー等を考えております。運行日は平日となりまして、土日祝祭日、お盆、年末年始は運休となります。運行時間は9時から16時までとなりまして、お昼の1時間は運休となります。運行車両は2台予定しておりまして、運賃は1乗車300円、子供、障害者の方は半額となる予定となっております。  丸子地域デマンド交通は、地域の実情に即した移動手段の提供を目的とするものであり、地域経済等の活性化や高齢者の外出機会が増えることによる健康増進等、様々な波及効果を期待するものであります。具体的には、利用者の目的地となる停留所については、丸子地域の医療機関や薬局をはじめ、スーパーや郵便局、金融機関等にご協力いただきながら、その設置の準備を進めているところであります。なお、本計画は去る6月7日に開催されました上田市公共交通活性化協議会で承認され、国への許認可手続を進めていくこととなっております。  次に、地域住民への周知につきましては、まずはデマンド交通を住民の皆様に広く認識していただくことが重要であると考えております。今後の周知の取組につきましては、6月下旬から7月上旬にかけ、丸子地域の公民館等の9会場で地域住民の皆様に対する説明会や、公民館等で開催される高齢者向けの講座に合わせて説明させていただくことを予定しております。  また、8月の地域自治センターだより「丸子」に合わせ、利用方法や利用に当たっての注意事項、停留所の位置図などを掲載したチラシを配布させていただく予定となっております。さらに、丸子有線放送や丸子テレビに、デマンド交通の内容や利用方法等について番組を制作していただき、予約電話のかけ方、乗車、降車の仕方、運賃の支払い方など、分かりやすくお知らせしていただく予定です。  このほか、ホームページやSNSなど、様々なツールを使いながら周知してまいります。運行開始後につきましても、公民館等で説明会や地域協議会などで利用促進に向けた積極的な周知活動に努めてまいりたいと考えております。  今回の丸子地域デマンド交通は、丸子地域では初めての試みとしてスタートいたします。議員ご指摘のとおり、運行開始後の検証、見直しをしていくことは、極めて重要であると考えております。見直し、改善につなげるには、一定期間の利用者の乗降データを蓄積した上で検証する必要があると考えており、随時デマンド交通の各種データの検証を行うとともに、車両内に利用に関するアンケート用紙を設置するなど、利用者の要望、意見を十分お聞きする中で、まずはできることから、できるだけ速やかに見直し、改善を図りながら、利用者の満足度を上げられるよう取り組んでまいります。  デマンド交通を導入したら終わりではなく、導入後についても地域の実態に合った使い勝手のよいものに改善していく取組が必要不可欠であると考えております。利用者である地域住民の声を反映したものとなるよう、評価、検証を繰り返しながら、デマンド交通が単なる移動手段にとどまらず、地域に根差したよりよい公共交通体系になるような仕組みづくりを進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。
○副議長(西沢逸郎君) 中村議員。           〔4番 中村 知義君登壇〕
◆4番(中村知義君) 丸子デマンド交通は、対象年齢に制限がないと聞いています。子供から高齢者まで、丸子デマンド交通システムを知らない方がいないよう広報し、たくさんの方に利用していただき、地域の声を聞きながら改善を繰り返し、この地域に合った交通システムを構築していただければと思います。  次に、橋梁の長寿命化対策について伺います。県内で、長野市に次いで橋梁の数が多いのが上田市です。3月の定例会一般質問で髙田議員が質問していますが、令和元年から令和10年までの計画で上田市橋梁長寿命化修繕計画がつくられ、安全で安心な道路環境の確保を行い、将来の世代に健全なインフラを引き継ぐために、財政負担の軽減と修繕事業の平準化を図りながら、計画に基づいた社会インフラの長寿命化修繕事業が行われています。財政面や人材不足の中で、国からの補助金を今後も継続していただけるよう、現在も行っていますが、トップ、市長の陳情は不可欠であり、現在の補助金を維持しつつ、上田市の財源を増やす努力とインフラ財源の強化をし、今後生活に必要な橋梁の維持管理が重要になってくると考えます。  そこで質問します。1つ目、来年3月で、国の定める5か年の2巡目の点検が終了するが、点検に係る財源はどうなっているか。  2つ目、上田市橋梁長寿命化修繕計画は令和10年までを計画期間としているが、残りの期間において修繕の見通し、修繕に係る財源はどうか、答弁を求めます。
○副議長(西沢逸郎君) 佐藤都市建設部長。           〔都市建設部長 佐藤 安則君登壇〕
◎都市建設部長(佐藤安則君) 橋梁の長寿命化対策につきましては、インフラの寿命を延ばすことで修繕・更新事業費の平準化と、計画的で効率的なインフラ管理を行うことを目的として策定した上田市橋梁長寿命化修繕計画に基づき実施しております。  5年に1度の定期点検では、損傷の進行度等に応じ4段階で健全度を評価しており、このうち早期に修繕などの措置が必要なⅢ判定及び緊急の措置が必要なⅣ判定となった橋梁について、修繕や架け替え工事を実施しているところです。なお、令和元年度から実施している2巡目の点検が、令和5年度で完了する予定となっております。  点検に係る財源でございますが、国の補助事業として、事業費の55%を国庫補助金、残りの45%は一般財源により実施しております。  上田市橋梁長寿命化修繕計画の計画期間は、令和元年度から令和10年度までの10年間としておりますが、道路インフラにおける維持管理は将来にわたり継続することから、国や県の事業方針の変更や社会情勢等の変化も考慮した上で、適宜計画期間や計画内容の見直しを行っていく必要があります。今年度、事業の進捗状況や2巡目の点検結果などを踏まえた計画の見直しを行う予定であり、残る5か年の計画期間につきましても、引き続き計画的に事業を実施してまいります。  橋梁修繕に係る財源につきましては、橋梁点検と同様、事業費の55%が国庫補助金、残る45%につきましては起債を活用しております。なお、インフラ老朽化対策に対する国の補助金については、令和7年度までの防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策により重点的に配分される予定でありますが、将来的な財源につきましては、国の国土強靱化に係るポスト5か年対策の動向も注視しながら、引き続き補助金や有利な起債などの活用をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。
○副議長(西沢逸郎君) 中村議員。           〔4番 中村 知義君登壇〕
◆4番(中村知義君) 上田市橋梁長寿命化修繕計画で計画的に修繕しながら、地域の大事な橋梁を維持したとしても、人口減少、財源不足などから、当たり前のようにある地域の橋梁が今後維持できなくなるときが来ることは、市民として危機感を持ちながら、地域や地元企業も含め、今ある橋梁をどのように維持していくべきか考えていく必要があると思います。  そこで質問します。1つ目、橋梁の修繕とともに、地域の協力を得ながら大型車両や重量物を積載する車両の交通規制を行うことで、今ある橋梁への負担を減らし長寿命化を図ることが可能か。  2つ目、令和5年3月定例会の一般質問では、橋梁を個別に考えるのではなく、複数の橋梁を地域インフラ群とするエリアで捉え、橋梁の統合などを選択せざるを得ない場合は、地域の方と議論を重ね、合意をいただきながら進める必要があると答弁がありましたが、限られた財源の中で、今後どのように取組を進めていくのか。  3つ目、修繕を計画的に進めるためには、請負業者の確保が必要だと考えるが、地元の土木業者も含め、地域で橋梁を守っていけるような仕組みづくりが重要だと考えるが、見解はどうか。答弁をいただき、私の最後の質問といたします。
○副議長(西沢逸郎君) 佐藤都市建設部長。           〔都市建設部長 佐藤 安則君登壇〕
◎都市建設部長(佐藤安則君) 大型車両や通行する車両等の重量を制限することで、橋梁の長寿命化を図ることが可能かということにつきましては、その効果を検証する必要がございますが、損傷の進行を遅らせることは期待できるものと考えられます。しかしながら、橋梁の安全性向上に加え、道路ネットワークの信頼性の確保という観点から、現在のところ橋梁を通行する車両等の重量を制限することは考えておりません。今後も、適切な時期に的確な修繕工事を実施することで高い健全性を維持し、市民の財産として安全安心に利用していただけるよう、計画的に取り組んでまいります。  現在進めている橋梁の修繕工事は、橋梁本来の寿命を全うするための対策であり、いずれは架け替えの必要な時期を迎えます。現在でも修繕が必要と判断された橋の中には、ライフサイクルコスト等を十分検討した上で、修繕ではなく架け替えが妥当と判断される橋もございます。  上田市におきましても、高度経済成長期に架設された多くの橋が、近い将来更新時期を迎えることから、限られた財源の中でインフラ施設を維持していくためには、橋梁を個別に考えるのではなく、それぞれを地域インフラ群とするエリアで捉え、持続可能なインフラメンテナンスに向けたマネジメントが求められる段階となってまいります。  今後の点検結果にもよりますが、将来的に交通規制等の措置が必要と判断された場合は、対象となる橋梁の交通量や重要性、地域の実情などを総合的に検証した上で、地域の皆様と協議しながら、橋梁の集約化を含め、その方向性について検討していく必要があると考えております。市としましては、今後も上田市橋梁長寿命化修繕計画に基づき、国庫補助金等の財源を活用しながら、引き続き長寿命化修繕事業に取り組み、財政負担の軽減と事業費の平準化を図るとともに、効果的かつ効率的な維持管理に努めてまいります。  橋梁修繕工事は、特殊な材料や施工方法、また施工条件の変更への対応など、専門的な知識や経験などが必要とされております。このため、比較的規模の小さな橋梁修繕工事におきましては入札不調となるケースもあり、適切な工期が確保できず事業進捗に遅れが生じることがございます。  現在、建設業界を取り巻く環境は、就業者の高齢化や労働者不足など、非常に厳しい状況であると認識しております。このため、地域内の建設業者におきましても、専門的な知識を習得している技術者の確保や、新たに育成していくことは非常に難しい状況にあると推察されますが、市としましては、適正な施工規模や工期の確保、施工時期の平準化など、地元業者の皆様が入札に参加しやすい環境の整備を検討してまいります。  また、円滑な事業の実施には、市民や地域の皆様のご理解、ご協力が不可欠であります。市内の橋梁の現状や、これまでの取組の成果について、広報やホームページ等を活用しながら広く市民に公表し、関心を持ってもらうことで、道路インフラ維持管理に対する理解を深めてまいりたいと考えております。  以上でございます。
○副議長(西沢逸郎君) 中村議員の質問が終わりました。